すばらしい新世界〔新訳版〕

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著者:オルダス・ハクスリー(著)、大森望(翻訳)

出版社:早川書房

分類:英米文学

出版日:2017/1/7

 

ジョージ・オーウェルの「1984年」と並び、ディストピア小説の不朽の名作。舞台は西暦2540年のロンドンで、すべての人は(培養されて)生まれる前からランク分け(アルファ、ベータなど)されており、いわゆる「皆が幸せな痛みのない理想郷」の世界。ディストピア小説ながら、全体的な印象はそれほど暗くない。ただ、結末は当然ながらハッピーエンドではなく、主な登場人物のバーナード(アルファだけど冴えない男)は反逆(?)に加担したため、友人ヘルムホルツとともに島流しに(その後どうなったかは不明)。一方、バーナードが保護区からロンドンに連れてきた野蛮人ジョンは、互いに惹かれあったレーニナ(ベータでモテモテの美女)を殺してしまう。そして自らも命を絶つ(描写が抽象的なのでわかりにくいのですが・・・)。清涼な読後感を期待する人には不向きだが、社会の在り方など色々考えさせられる小説。